大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和26(れ)588 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

被告人A弁護人田畑政男の上告趣意第一点について。

原判決は、弁護人が拷問による自白であると主張する被告人の警察官に対する供

述を証拠として引用していない。原判決は証拠として第一審第一回公判調書中公判

請求書第一記載の事実は相違なき旨の供述記載を引用するに当り公判請求書の記載

を挙げているが、それは右公判請求書を証拠としたものではなく前記公判調書記載

の供述内容を明らかにするために引用したに外ならない。従つて、被告人の警察に

おける自白は所論のように「間接」にも証拠とされていないのである。しかのみな

らず、被告人の警察における自白が拷問によるものであるということは被告人が原

審公判廷で述べているだけであつて確認されるべき他の資料がない。それゆえ、憲

法三八条違反の所論はその前提を欠くことによつて問題とならない。

同第二点について。

所論B、C、Dについては、原審において証人喚問の申請がなされていない。従

つて、喚問の申請がなされたに拘らず訊問の機会を被告人に与えなかつた事案に関

する論旨引用の当裁判所判例は本件に適切ではなく原審の判決は当裁判所の判例と

相反するものではないから論旨は理由がない。

被告人Eの弁護人野口政治郎の上告趣意について。

論旨は、原審の量刑不当を主張するものであるから適法な上告の理由とならない

ばかりでなく刑訴四一一条を適用すべきものであるとの主張としても採用できない。

よつて、刑訴施行法三条の二、刑訴四〇八条に従い裁判官全員の一致した意見に

より主文のとおり判決する。

昭和二六年七月二四日

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最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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